就労移行支援事業所とは

 

 就労移行支援事業所とは、一般就労などを希望する65歳未満の障害者に対し、事業所における作業や、企業における実習など、適性に合った職場探しや就労後の職場定着のため、通所を原則とした支援を行う事業所です。また、これらの支援を通じて、本人の適性に合った職場への就労・定着を目的として、24か月以内を標準とする期間において、必要な訓練・指導などを実施します。

 就労移行支援事業所では、その趣旨から、生産活動における事業収入から必要経費を控除した額に相当する金額を、生産活動に従事している人に工賃として支払うことが求められます。サービスの利用者には、利用の申し込みに際して、直近の工賃支払いの実績額が提示されます。

 また、利用者が個別支援計画に沿って職場実習を実施できるよう、職場実習の受け入れ先を確保するとともに、公共職業安定所、障害者就業・生活支援センターなど関係機関と連携し、利用者が行う求職活動の支援や利用者の就労に関する適性・ニーズに応じた職場開拓に努めることが求められます。

 利用者が就労した後も、定着するまでの間、定期的に連絡・相談などの支援を継続します。

 就労移行支援事業所など障害福祉サービスの利用には、利用料(利用者負担額)が必要です。利用料は、原則としてサービス提供費用の1割ですが、所得に応じて負担上限額が設定されているほか、利用者本人の収入状況等に応じて、利用者負担額の軽減措置が設けられています。

 

就労移行支援事業所の指定基準

 

【人員基準】

 

(1) 管理者

(2) 職業指導員及び生活支援員

 員数は、次に掲げる区分に応じ、それぞれに定める数とすること。

 ① 職業指導員及び生活支援員の総数 就労移行支援事業所ごとに、常勤換算方法で、利用者の数を六で除して得た数以上

 ② 職業指導員 就労移行支援事業所ごとに、1人以上

 ③ 生活支援員 就労移行支援事業所ごとに、1人以上

 ④ 職業指導員又は生活支援員のうち、いずれか1人以上は、常勤でなければならない

(3) 就労支援員

 就労移行支援事業所ごとに、常勤換算方法で、利用者の数を十五で除した数以上但し就労支援員のうち、1人以上は、常勤でなければならない

(4) サービス管理責任者

 員数は、就労移行支援事業所ごとに、次に掲げる利用者の数の区分に応じ、それぞれに定める数とすること

 ① 利用者の数が60人以下 1人以上

 ② 利用者の数が61人以上 1人に、利用者の数が60人を超えて40又はその端数を増すごとに1を加えた人数以上

 ③ サービス管理責任者のうち、1人以上は、常勤でなければならない

 

※利用者の数は、前年度の平均値とする。ただし、新規に指定を受ける場合は、推定数による

 

【設備基準】

(1) 訓練・作業室

 ① 訓練又は作業に支障がない広さを有すること

 ② 訓練又は作業に必要な機械器具等を備えること

(2) 相談室

 室内における談話の漏えいを防ぐための間仕切り等を設けること

  ※相談室及び多目的室その他必要な設備については、利用者への支援に支障がないと認められるときは、兼用することができる

(3) 洗面所

 利用者の特性に応じたものであること

(4) 便所

 利用者の特性に応じたものであること

 

(注)設備は、専ら当該就労移行支援事業所の用に供するものでなければならない。ただし、利用者の支援に支障がないと認められるときは、この限りでない。

 

【規模】

 就労移行支援事業所は、20人以上の人員を利用させることができる規模を有するものでなければならない。ただし、離島その他の地域であって厚生労働大臣が定めるもののうち、将来的にも利用者の確保の見込みがないとして都道府県知事が認めるものにおいて事業を行う事業所については、10人以上とすることができる

 

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