私はヤモリやカエルといった『爬虫類・両生類』を何種類か飼育していますが、実は「いつかは飼ってみたい」と長年憧れている生き物がいます。それが『カメレオン』です。
ご存知の方も多いと思いますが、『カメレオン』とは目をぐるぐる動かし、舌をのばして虫を捕まえるあの爬虫類のことで、環境に合わせて体色を変化させるところから『変わり身』の代名詞として使われることもあります。少年の頃、このヘンテコな生き物に心を奪われた私は、「いつの日か自宅でカメレオンを飼おう」と固く心に誓ったのです。
しかしカメレオンの飼育にはいくつかハードルがあります。中でも最も大きな壁が、他の爬虫類に比べて飼育が難しいという点です。まずカメレオンは、基本的に『生き餌』しか食べません。他の爬虫類のように、人工飼料をピンセットで与えるような飼い方ができないので、必然的にエサとなる昆虫も飼育することになります。次に容器から水を飲まない、というのも頭を悩ませるところです。カメレオンは水面が揺らめいたり水滴がはねたりする『動く水』にしか反応しないので、霧吹きで水を与えたり、葉っぱの上に常時水をたらす装置を取り付けたりと大変です。また温度管理と湿度管理が大変難しいという点もあります。種類によって要求する環境が変わり、熱帯性のカメレオンは低温にならないように注意するのはもちろんの事、高温になりすぎてもいけないのでその加減が難しいのです。さらに高地に棲む種類では、『低温かつ高湿度かつ通気性を確保』という日本ではなかなか再現しにくい環境を求めてきます。一番手っ取り早いのが、一年中部屋ごとエアコンで温度管理をする方法でしょうか。(なかなか高額な維持費になりますが・・・。)
そんな感じで飼育難易度が高いカメレオンは、一昔前は「1週間生かせられたら上出来」とまで言われていました。しかし現在では生き餌の入手が容易になったり、飼いやすく丈夫な種類が普及したりと、かなり飼育のハードルが低くなりました。
そこで後半は、カメレオンの中でも飼育しやすい種類をいくつかご紹介します。
①エボシカメレオン
原産国はイエメンやサウジアラビア。環境変化に強く、頑丈で、植物性のエサも食べる事から『カメレオンの革命児』とまで言われた最も飼育しやすい種。オスの頭部が上にのび『烏帽子』のように見える事からこの名がついた。メスはオスより一回り小さい。
②パンサーカメレオン
原産国はマダガスカル。この種も人に馴れやすく丈夫で飼いやすい。一番の魅力は産地によって色々なカラーバリエーションがある点で、赤、青、ピンクなど様々な極彩色の縞模様が体表に入りとても美しい。
③コノハカメレオン
原産国はタンザニアやケニアなど。とても小型の種で、体長が5cmほどにしかならない。その姿は木の葉に擬態しており、落ち葉の上にいると見分けがつかない。
私の憧れ『カメレオン』、死ぬまでに一度はチャレンジしてみたい生き物です。