雑記・駄犬と私

 我が家の駄犬はもう今年で13歳である。爺である。しかし散歩は毎日大喜びで跳んで行く。私も散歩相手となるが、逆に引っ張られていく始末である。元気な爺である。

 我が家の駄犬は頑固爺でもある。我が家の家族や散歩中遭遇する仲の良い犬の家族の方々以外には容赦なく吠える。慈悲は無い。春となり近所の児童が外で遊ぶようになると、見敵必戦の精神で児童に吠える。母や私がやめなさいと窘めてもやっぱり吠える。番犬の矜持というヤツなのだろうか、それは譲れないらしい。吠えるだけで済んでいるので平和なのかもしれない…

 我が家の駄犬は結構ヘタレでもある。かつては近辺の花火大会の花火や冬の初めの落雷に縮こまったりしてたものである。そして毎年二回の犬のお注射の時こそヘタレっぷりを余す事無く発揮するのだ。何だかんだで白衣を着た獣医さんという認識だけはしてるらしく、動物病院もしくは予防接種会場についた時点では我関せずでのほほんとしていたのがその人影を認識した途端全速後進である。バックで逃げるのである。無論連れていく母や父もそうはさせまいと引っ張り合いとなり終いには駄犬が緊張と恐怖で怒り出す…が、やはりそこはプロの獣医さん、隙を狙って予防接種をお尻へブスっと一発。駄犬の情けない断末魔がこだまするのだ。そしてしょんぼりする駄犬はその日一日は非常にしおらしくなっているのであった…

 

 そんな駄犬ではあるが、更に駄主人なのは私である。会えばすぐ撫でる。ひたすら撫で回す。叱るとき以外はほぼ常時甘やかすのだ。親バカならぬ犬バカである。可愛いは正義なのだ。天気が良い時は庭で日光浴する姿の無防備さが可愛いのである。横になって伸びている姿が何とも言えないのだ。正直な話、メンタルが相当参っていた時に駄犬がいなければこうして雑記を書けたかどうかも分からないのだ。そういう意味でどれ程救われたか…という思いもあるのだ。駄犬よ…これからも健やかな日々を過ごして欲しい…

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