ダンジョン飯

 漫画をあまり読まなくなって久しいのですが、例外的に発売日にきちんと購読している漫画がいくつかあります。その中でも特にお気に入りなのが『ダンジョン飯』と言う漫画で、『2015年コミックナタリー大賞・第1位』や『このマンガがスゴイ!2016・オトコ編1位』にも選ばれており、すでにご存じの方も多いのではないでしょうか。

 この『ダンジョン飯』は作者が九井諒子さんという女性で、無理やりジャンル分けすると『グルメ・ファンタジー漫画』になります。『グルメ・ファンタジー漫画』とは聞きなれない言葉ですが、この作品を表現するにはこれしか適当な言葉がないのです。

 まずあらすじですが、主人公のライオス一行は、ダンジョン深層でレッドドラゴンと戦うも壊滅状態になり、ライオスの妹ファリンが兄をかばってレッドドラゴンの餌食になってしまいます。辛くもダンジョンから脱出したものの、妹が取り残された上に荷物をほぼ失い無一文になってしまったライオス一行。彼らは、妹救出のために再びダンジョン深層を目指す――。と書けばよくあるファンタジー漫画だな、と思う人もいるかもしれませんが、この漫画の面白いところは、「金も食料もないなら、ダンジョンに巣食うモンスターを食べながら探索しよう!」ということで、出てくるモンスターを倒し、それを料理して食べる、というグルメ漫画でもあるというところです。もちろんモンスターは架空の生き物なのですが、それが毎回煮たり焼いたり揚げたりと現実的な調理方法によっておいしそうな料理に変わっていくところが何とも妙なリアリティがあり、作品の魅力となっています。調理例を挙げると『大サソリと歩きキノコの水炊き』、『ローストバジリスク』、『マンドレイクと大コウモリ天』など意外とイケそうな料理ばかりです。

 また登場人物も個性的で、それぞれの得意分野を生かしてモンスターを倒すところが楽しく読めます。ここでライオス一行を簡単に紹介します。

◎ライオス

主人公でパーティーのリーダー。魔物オタクで魔物を愛するあまり味まで知りたくなった結構アブナイやつ。

◎マルシル

エルフの魔法使いで、メンバーの中では一応常識人。魔物食に拒否反応をしめすものの、毎回空腹には耐えられず結局食べてしまう。

◎チルチャック

 小柄なハーフフット種族で、ダンジョンのワナ対策や解錠を担当している。

◎センシ

 ドワーフの戦士で、10年も魔物食の研究を続けている。パーティーの料理長。

 

 現在、第4巻まで発売されており、第4巻目はちょうどレッドドラゴンとの死闘が収められています。妹のファンリは無事なのか、そしてレッドドラゴンの味はいかに!ということで『ダンジョン飯』、おすすめですよ。

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