『ミステリーの女王』アガサ・クリスティ①

 今回は、『ミステリーの女王』として世界中で愛されている、アガサ・クリスティについて2回に分けて書こうと思います。

 アガサ・クリスティはイギリスのミステリー作家で、本名アガサ・メアリ・クラリッサ・クリスティ。1920年『スタイルズ荘の怪事件』でミステリー作家デビューしたのを皮切りに、60作以上の長編と150作以上の短編を生み出し、これまで全世界で10億部以上出版されています。またエルキュール・ポワロ、ミス・マープル、パーカー・パイン、トミーとタペンスなど多くの魅力的な名探偵を生み出したことでも知られています。

 そんな数多くのクリスティ作品の中でも、私が個人的におすすめしたい長編を8つご紹介します。

①アクロイド殺し

 キングス・アボット村である裕福な夫人が睡眠薬の過剰摂取で亡くなった。この夫人は村の富豪ロジャー・アクロイドとの再婚が噂されていた。ロジャーの友人のシェパード医師は、その夫人が1年前に夫を毒殺したことを告白し、そのことで何者かに恐喝され続けていたことをロジャーから聞かされる。その夜、ロジャーは何者かに刺殺され、恐喝者の名前が書かれた夫人からの手紙も消えていた――。クリスティ初期の意欲作にしてミステリー史に残る記念碑的作品。斬新すぎるトリックが、発表当時フェアかアンフェアかの論争を巻き起こしたことでも有名です。

②そして誰もいなくなった

 デヴォン州のインディアン島に、年齢も職業も異なる10人の男女が招かれた。しかし島の主は現れず、晩餐の席で10人の過去の罪を告発する謎の声が響き渡った。それを皮切りに、童謡『10人のインディアン』になぞらえて招待客が一人、また一人と殺されていき、それに合わせて10体の『インディアン人形』も一つ、また一つと減ってゆく――。『クローズド・サークルもの』としても『童謡殺人もの』としても超の付く一級品。自身の代表作であり、ミステリー史に燦然と輝く傑作でもあります。また最近では2012年に『週刊文春東西ミステリーベスト100』でも、堂々の1位に選ばれています。

③ABC殺人事件

 ポワロのもとに「今月21日、アンドーヴァーを警戒せよ」と『ABC』を名乗る人物から挑戦状が届く。その挑戦状の通り、Aで始まるアンドーヴァーの町で、イニシャルがAAのアリス・アッシャーが撲殺され、そばには『ABC鉄道案内』が置かれていた。ABCのイニシャル通りに殺人を犯す『ABC』とは何者なのか。ポワロと殺人鬼の息詰まる頭脳戦の結末は――。クリスティ中期の傑作。発表後、この作品にヒントを得た派生作品が洋の東西を問わずに数多く作られたことも考えると、本作が後の作家に与えた影響は計り知れません。

 

K.K

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