「ひまわり」の仕事の中に古書のデータ入力の仕事があるけれど、実は僕にとってこの仕事は楽しくてしょうがない。
確かに中に入っているメモは難解で解読するのは大変だし、そのメモの要望通りにデータを入力するのは大変だ。職員の方に解読してもらったり、入力の注意を受けたりするのだけれど。自分が生まれる前の歴史を刻んだ本を手に取ることは、人の歴史や生活に触れているような感覚があって心が震えてくるのだ。
詩集、機関誌、雑誌、輸入盤の画集等々、古い漢字のタイトルを解読したり、出版元・出版年を探す作業は、本の世界が無限にあることを知らしめてくれる。そして、ここに来るまでの歴史を垣間見ることになる事が、無上の喜びに感じる。まぁ、マニアックな感覚と言えばそうとも言えるかもしれない。
今、こういった古書を扱う店舗はどこに行ってしまったのだろう。僕が学生の頃の約30年ほど前は、個人でこじんまりと古書や古本を扱っている店がよく町の片隅で見られたものだ。けれど、古本のチェーン店の台頭、インターネットカフェの増殖によってこういった古書・古本を扱う店が激減している。だからこそ、こういった「ネット販売」に活路を見出そうと、データ入力の受注が「ひまわり」に来るのだろう。
でも・・・と思う。積み上げられた本の中から、自分にとって思い入れのある本や、新しい発見を促してくれるのは、ひなびた店舗の中でしか体験できない事だ。
古本探しは宝探しのようなもの。
これから時代が変わってネット販売が主流になっても、町のどこかで気のいい店主が待っているような店が残っていてほしいと思う。
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ドラミ (火曜日, 24 2月 2015 13:28)
古本のお仕事は、読めない時は読めないですけど、
ひとりで解読できると達成感ありますよね!
ただ、ちょっと鼻がむずむずするんですが(笑)