なぜ教えてくれなかったのだろう

　私は統合失調症になってからまもなく８年が経とうとしています。

　９カ月という短期間の治療で仕事に復帰しました。病気になる前と変わらず一般職です。しかしどこも長くは続かず職を転々としていました。

　データ入力の仕事をしていた時の話です。全く眠れなかった日は会社に行ってもパソコンに向かって文字入力しようとすると手が震えて打てません。仕事にならないので１５分で早退することになりました。また、残業で夜７時くらいになると手が震えるという症状が起こるようになってきました。しばらくすれば治る時もあれば治らず固まったままというときもありました。症状が悪化してきてまた辞めることになりました。ただ辞める理由が初めて「病気のため」というやむを得ない理由になりました。その会社では初めて自分の病気のことを話せた為です。

　そして職安にいき、いつもの手続きをしようとしたところ

「病気の為ということですが、何の病気ですか？」と聞かれちょっと躊躇しつつ

「統合失調症です」と答えました。

すると「そういう病気を持った方専門のコーナーがあるからそっちにいってみない？」と言われたのです。

　そこで初めてＡ型やＢ型の事業所があることを知ったのです。統合失調症になって５年目にしてのことです。なぜ今まで行っていたクリニックは教えてくれなかったのだろうと疑問と少しの怒りを覚えました。

　そうして病気のことをわかってくれるところでようやく働けることができたのです。

　Ａ型事業所で働くには障害者手帳が必要で、その手帳の存在も初めて知りました。障害者年金については存在を知っていましたが、クリニックに教えてもらった訳ではありません。友達からの情報でした。医療費控除の申請も同様です。

　全部の病院やクリニックがそうであるとは言いません。ただ私の知る限りでは障害者に有益な情報を渡してくれない所もあります。是非、改善の余地があるのならば私のように情報不足に陥らないようにしていただきたいです。