辺野古への米軍基地移設問題が大きく報道されている。名護市長選で「移設反対」を掲げていた稲嶺氏が当選し、「地元の民意を尊重すべきだ」との声が多く寄せられたからだろう。
辺野古は米軍基地「キャンプシュワブ」があることで知られる。キャンプシュワブに近いことから、かつては「辺野古社交街」として、1960年代は米兵で賑わう歓楽街があった。しかし、現在は繁華街の多くの店が閉店している。ここから海岸に行くと、新基地建設に反対する座り込みや海上阻止行動が行われており、沖縄の反基地運動の最前線の場所となっている。沿岸にはジュゴンが生息し、甲殻類だけでも36種の新種と25種の日本初記録種が発見された生物学的に貴重な地域である。
辺野古への移設問題で、反対の声が多いことは確かだ。綺麗な自然は守るべき。しかし、本当にデメリットだけかというと、そうではない。
「誤解している県民が多いのですが、辺野古に移転すると基地負担は減るんですよ。辺野古沖に2014年までに飛行場を建設した後は、嘉手納から南はほとんど返還されますし、8千人の海兵隊はグアムに移るわけです。これこそまさに基地負担の軽減じゃないですか?」
・・・こう語る政治家も実在する。
事実であれば、辺野古への米軍基地移設の必要性が生まれるかもしれない(あくまで、事実であれば、だが)。韓国や北、そして中国。この3国との関係改善も現実問題として程遠い。領土問題や靖国参拝への米国の批判的な目もある。国際的に立場が危うい日本にとって、沖縄基地の存在価値がほんとうにないとは言い切れない。「グアムに8千人の海兵隊が移る」とか、「嘉手納から南はほとんど返還」といった政策が実現されるのかはわからないが、均衡を保つためにも辺野古に基地が必要なのかもしれない。沖縄県民が耳にすれば激昂すること間違いなしだろうが・・・。
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