最近読んだ本・森橋ビンゴ

  アメ車とグルメと太陽と

 この話の主人公は取り立てて特徴が無い。平凡、普通。そんな言葉がぴったりフィットするような人物だ。しかし、変わった人脈を持っており、「いくらでも食事を摂る女性」と、「食べては吐き、吐いては食べ、を繰り返す女性」という、かわった二人と行動をともにしていた。どちらも痩せている女性なのだが、二人ともよく食べる。「回転寿司に行くなら、先にラーメン屋にいっとかないと」と、平然と言ってのけるような二人。そんな二人と「うまい店を良く知っている」というだけで仲良く行動する主人公。奢らされるわけだから、お勘定が半端無い。主人公はバイトにいそしみ、給料は胃袋に消えていく生活。二人と一人。リストカットをしてしまうほどに食事を摂りすぎる女性と、どこまでこの関係が続くのか-。

 二人ともよく食べる。しかし、自分には到底理解できない。朝は一口だけ(本当に一口で終わるのだが)食べて、昼は「お腹がならないように」という理由だけで食べている。夜も「親が用意するから」という理由だけ。食欲はあまり無いほうと思う。病的に、では無いが、食べることに幸福感を感じない。それに比べればこのお話の二人の女性はまだましだと思う。しかし、「食べては吐く」という行為をするぐらいなら食べなきゃいいのに、と、無知な自分は思う。そういう症状で入院する人も稀にいるぐらいだから、「そうか。そういう感覚の人もいるのだな」くらいには思う。しかし共感などまったくできない。食事を取ることは大切なこと。だからこそ、8分目で抑えて「食事が楽しみ」ぐらいになるほうが、もっとも良いのではないかなぁとも思う。ただ、これはあくまで、何の知識もない人間が考える浅はかな考え。自分で納得がいっていないのに、この行為を繰り返している、ということぐらいはわかるが、当事者でないので、どうしても共感できない。

 なんにしても、「ふーん」で片付けられる作品だったなぁと思う。読まなくてもいいかもしれない。そんなお話です。

 

ゆうき

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