毎日暑くて大変ですが、子供時代の夏休みのあのワクワクした気持ちを思い出して、せめて心だけでも大冒険へ出かけませんか?私のおすすめの、夏にぴったりな作品を2つ紹介します。
『ヒックとドラゴン』(原題:「How to Train Your Dragon」、2010、アメリカ)
日本で海外CGアニメーション制作会社と言うと、PIXAR(ピクサー)が知名度の点で独走していますが、これはそのライバル会社DREAMWORKS(ドリームワークス)の作品。日本では「シュレック」以外はPIXARに比べてマイナーですが、本作は質においては決して引けを取らない傑作だと思います。
極寒の海に浮かぶ小さな島、バーク島。そこには勇ましいバイキング達が住んでおり、食糧を狙って来襲してくるドラゴン達と長い間戦いを続けていた。バイキングの少年ヒックは、族長ストイックの息子だが、父とは似ても似つかぬヒョロヒョロした体格で力もなく、いつもヘマばかりで皆から孤立していた。ある夜ドラゴンが襲撃してきた時、ヒックは手製の投擲機で謎の最強のドラゴン・ナイトフューリーを撃ち落とす。それが、奇跡のような友情と冒険の物語の始まりだった…。
まず感動するのが、CGによって描かれたバーク島の美しさ。北欧のそれをイメージした海と島の涼やかさは、夏こそ観たい魅力です。寝苦しい夏の夜、バーク島へ避暑なんて如何でしょうか。ストーリーも王道ながらとても良いです。種族を超えた友情、少年の成長、親子の絆など、様々なテーマが盛り込まれ、全てが美しく着地するのです。
『バスカヴィル家の犬』(コナン・ドイル著、延原謙訳、新潮文庫)
今更説明するまでもない超有名作。しかし、タイトルだけは知ってるけど実はきちんと読んだことがない、てのはよくあることです。今を時めく現代人気作家の最新作も良いですが、あえて今こそ知ったつもりになっていた有名古典を読んでみる・再読するのは如何でしょう。
ロンドンの名探偵シャーロック・ホームズのもとに、医師モーティマーが訪れた。イギリス南西部ダートムーアのバスカヴィル家当主が怪死したという。バスカヴィル家には、代々伝わる「魔犬」にまつわる恐ろしい伝説があった。そして死体のそばにあったのは…
「ホームズさん、それがじつは巨大な犬の足跡なんですよ!」
若き後継者ヘンリー・バスカヴィルを守るため、ホームズに代わってダートムーアに赴いたワトスンが聞いたのは、沼沢地に不気味に響く奇妙な声。果たして伝説は真実なのか?
「シャーロック・ホームズ」シリーズ長編4作の中で、最も有名で人気の高い本作の魅力は、何と言ってもダートムーアという舞台そのものです。寒々とした荒涼な沼沢地、そこに伝わるおどろおどろしい伝説と、怪しい住人の面々。頼れるホームズが隣にいないワトスンの抱える不安も加わり、物語に引き込まれるうちに、猛暑で火照った心身もひんやりしてくること請け合いです。
暑い夏でも、本や映画を楽しむ気持ちを持ち続けたいものです。ワクワクドキドキして、夏バテを吹き飛ばしましょう!
P.N.Azami
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粋夢 (木曜日, 29 8月 2013 15:35)
『バスカヴィル家の犬』は何人もの漫画家さんが書いた物で読んだことがあります。
今度翻訳ものに挑戦してみたいと思います。