グリム童話の世界
『グリム童話』は、ヤーコプとヴィルヘルムのグリム兄弟がドイツ中を歩き回って、古くから語り継がれてきた物語をドイツ生粋の素朴な民衆たちから直接聞き集め、それを口伝えのかたちのまま収録したメルヒェン集です。
一つ一つの話が短く、比較的口承のままの形を保っていた事にあった為、幾度もの改編(残酷描写の削除等)を経て今の読まれている物となりました。有名所では「ヘンゼルとグレーテル」「白雪姫」など、子を虐待する実母が出てくる話が、子供への配慮から後の版で継母に変えられました。
ではシンデレラのお話で、どう変化をしたのか紹介したいと思います
シンデレラは、継母とその連れ子である姉たちに日々いじめられていた。
あるとき、城で舞踏会が開かれ、姉たちは着飾って出ていくが、シンデレラにはドレスがなかった。
舞踏会に行きたがるシンデレラを、不可思議な力(魔法使い、仙女、ネズミ、母親の形見の木、白鳩など)が助け、準備を整えるが、12時には魔法が解けるので帰ってくるようにと警告される。
シンデレラは、城で王子に見初められる。
12時の鐘の音に焦ったシンデレラは階段に靴を落としてしまう。
王子は、靴を手がかりにシンデレラを捜す。
姉2人も含め、シンデレラの落とした靴は、シンデレラ以外の誰にも合わなかった。
シンデレラは王子に見出され、妃として迎えられる。
◆ グリム版灰かぶり姫 ◆
①魔法使いとかぼちゃの馬車が出ず、白鳩が主人公を助ける。
②ドレスと靴を持ってくるのは、母親の墓のそばに生えたハシバミの木にくる白い小鳥。
③ガラスの靴ではなく、1晩目は銀、2晩目は金の靴である。
④靴を階段に残したのは偶然脱げたのではなく、王子があらかじめピッチ(ヤニ)を塗って靴が絡め取られたから。
⑤王子が靴を手がかりにシンデレラを捜す際、連れ子の姉たちは靴に合わせるためにナイフで足(長女が爪先、次女は踵)を切り落とす。しかしストッキングに血が滲んで見抜かれる。
⑥物語の終わり、シンデレラの結婚式で姉2人はへつらって両脇に座るが、シンデレラの両肩に止まった白鳩に両目ともくり貫かれ失明する。
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