最近、20代の会社員の中で、「新型鬱」という病気を発症する例が頻出している。
従来の鬱は、生真面目さが強く「失敗した、自分には価値がない」と自らを責めて徐々に心に変調が表れてくる、というものが典型例だった。ひどくなると「何もしたくないし、何もできない。朝起きるのもつらい」などと、無気力な状態が続いて精神科を受診、鬱病と診断されるケースが大半だ。年齢層に関係なく、「こころの風邪」などといわれることもあった。
しかし、「新型鬱」は従来の物とは若干違ってくる。
「会社は休むが、休んでしまえば旅行も買い物も行ける」という、一見鬱とはおもえない症状がみられることが多い。ようは、都合の悪いことが起きると職場のせいにするなど、会社に行くことから逃げている状態、ともいえる。
悪質なケースとしては、「会社を休んじゃったので診断書をください」と来院する患者がいるという。ただ、「2週間以上眠れない、社会生活に問題がある」などの、鬱病と診断せざるを得ないケースもあり、一概に“新型鬱=仮病”ともいえない例も多数みられる。従来の鬱病診断基準の例がインターネットに流れていることもあり、鬱との判断が非常に難しい。
「新型鬱」は首こりが原因、と指摘する医師もいる。
首は全身の神経とつながる重要部位。下を向いた姿勢を続けると、首の筋肉が硬直し、自律神経などに悪影響をおよぼすという。
さまざまな現代病が蔓延する社会となった原因は「ゆとり教育」「体罰の禁止」などにある、とする見方もあり、複雑に入り組んだ現代社会のなかに生きることが難しい世代への影響が大きいのかもしれない。
ゆうき
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